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耕地雑草って?


耕地雑草ってなんですか

 耕地雑草とは、耕地に生える、作物(人間が作ろうと思って作っている植物)以外の高等植物のこと。例えば、花のきれいなツユクサも、畑にあれば手強い耕地雑草だけど、育てているのなら、れっきとした茶花とか庭の花。馬鈴しょの堀残しも小麦畑に生えると大変。昔作ったキクイモも、今ではやっかいな耕地雑草になっているところもあります。植物は、生えてはいけない耕地に生えたときだけ耕地雑草になるのです。ここの耕地に生えているものも、あそこの耕地に生えているものも、地球の裏側の耕地で生えているものも耕地雑草です。そして、次の世代も耕地に生えるのでしょう。そこの道ばたに生えているものは、今は耕地雑草ではありません。けれど、次の世代では耕地雑草になるかもしれません。
 さて、耕地にはどんな植物が生えてしまうのでしょう、作物の他には。芽生えや幼植物のうちになんとかしなければ。

どうして生えてはいけないの

 作物や人間にさまざまな害を与える。作物を作る人間にとってとっても邪魔。
 作物に対する害:養分や水分・光を奪われる。病害虫は喜ぶ。→うまく育てない。
 人間に対する害:草取りをさせられる。種をおとされると、また来年も。
 作物がうまく育たなくなったり、収穫の邪魔になって、大損。

どうやったら耕地雑草はいやがるか

 目先の害を防ぐ、だけでなく、耕地利用の全体を通して、生えないようにする、その努力を積み重ねることによって、密度は下がり、そして、生えなくなる、つまり、除草作業はいらなくなり、農業は耕地雑草との戦いから解放されるようになる。作物を生かしながら、そばにある耕地雑草だけを退治するというのは難しい。作物がない時の対策を大切にしよう。

種子や地下茎などの繁殖器官を持ち込まない、作らせない
 持ち込まない:未熟堆肥では種子は死なない、家畜に食べられても種子は死なない(死ぬこともある)。作物種子に混ざっていることもある。耕地のそばの草むらにもいっぱいある。
 作らせない:入って、生えてしまったものを、結実前に退治する(除草)。

入ってしまったものをやっつける
 十把ひとからげで一網打尽。草地や果樹園では、邪魔にならないものには無理に手を出すな、種はつけさせるな。
作物がないときにこそ
 作付前、収穫後、休閑時、緑肥栽培時は、作物に気兼ねしなくてよい。このときこそ、簡単でかつ徹底的な対策がとれ、発生密度を押さえ込むことができる。種をつける前とか地下茎などが太りはじめるまでにやっつけよう、繰り返し。機械ででもいいし、除草剤だっていいし。
作物があるときには
 種をまいたり、苗を植え付けた後は大変だ。作物も耕地雑草も高等植物、近い種類ならなおさらだ。
  作物の力で:しっかり育つと耕地雑草に負けにくい。耕地雑草の生育を抑える。が、耕地雑草も易々とは負けてくれない。
  機械や人力で:草取りクリーナ、表層撹はん、中耕手取り(抜き草、草削り、種草取り)
  除草剤で:耕地雑草が芽を出すまえに(土壌処理)、芽を出してから(茎葉処理)
       作物が枯れるかもしれないし、耕地雑草は枯れないかもしれない。
       除草剤には期待できる効果や、使用法が厳密に決まっているので間違わないように。