ナガボノワレモコウ ナガボノシロワレモコウ   バラ科 多年生

 以前は白花品をナガボノシロワレモコウ、赤花品をナガボノアカワレモコウと呼び、変種段階で区別していた。ところが、前世紀末に、どちらも自生する場所では中間品が普通に見られることから、交雑は普通に行われ、変種段階での区別は不適当である、とされたようだ。最新のYListでは、赤白ともにナガボノワレモコウの別名とされている。
 従来ワレモコウとされていたもののうち、花糸とガクの長短などで種を分けて、花糸がガクより長いものにミヤマワレモコウの名を与えて別種とした。北海道における趣味の図鑑の最右翼、梅沢「新北海道の花」では、「2001年までナガボノアカワレモコウとされていた」としてアポイ岳産赤花品にミヤマワレモコウを当てている。アポイ岳に分布するものは以前はナガボノアカワレモコウと通称され(アポイ岳の高山植物改訂版1985)、のちにワレモコウ(日高山脈の高山植物1981)と呼ばれていた。「新北海道の花」の記述は(画像も含めて)アポイ岳産対象限定だと思う。
 今世紀初頭、道南地方で、移入種ワレモコウの生花生産を特産化しようとしていたが、現在はどうなっているのかなあ。
 「北海道の蝶1986」には、ゴマシジミの食餌として「ナガボノシロワレモコウ、ワレモコウ(アポイ岳)」とある。一例だけど、種名を変更すると、その影響はすごい広がりをもってしまう。ところで、ゴマシジミは「ナガボノアカワレモコウ」に産卵するのだろうか、幼虫は食べるのだろうか。岐登牛山には赤花品は見当たらない。


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紅葉もきれい 20101001


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