オオモンシロチョウ
鱗翅(チョウ)目シロチョウ科
「札幌の昆虫」によると、日本では1995年に北海道京極町で初めて採集され、その後急速に生息範囲を広げている。モンシロチョウは、1個ずつ卵を産みつけるのに対し、オオモンシロチョウは一度にたくさんの卵を産むとか。
セイヨウオオマルハナバチのことはいろいろと取りざたされるが、さて、この種はどうなんだろう。
「第55回特別展 外来生物とみなとまち小樽」(小樽市博物館 2003.7-9)展示解説書(日本財団電子図書館)によれば、元々はヨーロッパ〜ヒマラヤにかけて分布していたらしい。この種の飛翔力はすごく、400kmくらいは移動できるそうで、北海道には自力で移動・定着したらしい。外来種には違いないが、移動時に人為がからむ外来種とは異なるようだ。定着・増殖が急で、幼虫の食草、アブラナ科野菜の作付拡大(家庭菜園が重要か、防除が足りないから)やアブラナ科植物の増加がそれを後押ししているようだ。人為と全く関係ないというわけではない。
♂ 20070710
夏型♀ 20070912
20070912
20070912
20090718
20090906
20100707
ピンポイント 20100907
20150711 (画像クリックで拡大)
20160526 (画像クリックで拡大)
20160706 (画像クリックで拡大)
20190509 (画像クリックで拡大)
20081009の観察(東川市街の家庭菜園、ダイコンの葉上で)
オオモンシロチョウの幼虫は、卵が1箇所にまとめて産みつけられるからか、1株のダイコンに集中していた。このあと、淘汰し合い、あるいは分散するのか、オオモンシロチョウのほうが活発に動いていた、でも近くに食草があるとは限らない。食べ尽くす前に蛹化できるのか。一方、モンシロチョウは1個ずつ、あちこちに産卵されるから、わりと優雅に食事をしているように見える。食べる量や発育の速度はどうなんだろうか。食草以外に、生き延びるためには、鳥や寄生蜂、ニンゲンの指など、いろんな障害があり、さて、どちらが有利なんだろう。
(参考)幼虫 ダイコン葉上 20081009 東川市街
(参考)幼虫 ダイコン葉上 20081009 東川市街
(参考)幼虫 モンシロチョウとも同居、この後も一緒にいたかどうかは不明
ダイコン葉上 20081009 東川市街